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【料理のプロに聞いた】幸せの隣に寄り添う ララシャンスのシェフがつくる記憶に残る料理とは
結婚式に参列されるゲストにとって、
大きな楽しみとなるのが、お料理。
人生の中でとても幸せな時間の1つが結婚式、
その幸せな時間を料理を通して感動していただき
幸せの記憶の隣に寄り添うことが出来るか
ララシャンスシェフが目指す料理の在り方や
お打ち合わせについてお伝えします。
今回は、新郎新婦やゲストから満足していただける
料理を提供し続ける料理人の想いに触れていきます。
目次
おおまかな打ち合わせの流れ
料理のお打ち合わせには大きく分けて2つ。
料理(コース)とウエディングケーキの
打ち合わせがあります。
それぞれ打ち合わせの流れや回数は、
ご要望により様々ですが
大体は1度の打ち合わせの中で確定することが多いです。
基本は価格別にいくつかあるコースの中から
選んでいただく形式をとっている中、
・自分たちで育てた野菜を使う場合など生産者の方
・結婚式にコンセプトをお持ちで、
コースにより色を持たせたい方
などは、追加での打ち合わせをさせていただきます。
近年打ち合わせ時に、
特に力を入れられる方が増えたのは、
パティシエとのウエディングケーキに
関しての内容です。
ケーキもカタログをお見せしつつ
決定する事が多いですが、
現在は、SNSなどのお写真をお持ちいただき、
お写真ベースで依頼をしてくださる方が
半数ほどいらっしゃるような状況です。
どちらの打ち合わせも基本的に、
パンフレットを見ながら内容を決めていきますが、
新型コロナウイルスの流行前は、
四季ごと年に4回の開催と実際のコースを展示する
パーソナルレクチャーというフェアが開催されていました。
そこには写真、映像、衣装、引き出物、
引菓子、演出の業者、お花などのブースも
出店があります。
そのシーズンに結婚式を希望されるお客さまが
各回100組ほど来館され、
部門ごとのスペースで実物を見ていただきながら
体験していただき、お料理は試食なども行っていました。
パーソナルレクチャーが出来ない現在は,
対面やオンラインでのお打ち合わせを行っています。
少しでも多くの新郎、新婦様、
ご両家のお父さまやお母さまにも安心して
挙式、披露宴をお迎えいただけるよう
お料理のお打ち合わせを行います。
※2022年12月現在も再開は未定
2組のお客さまとのエピソード
打ち合わせの中で、新郎新婦のおふたりから
ご要望をいただき実現した
パーソナルなコース料理を、
2組お話しします。
ある新郎さまのお話しです。
打ち合わせの中で、新郎さまから披露宴中に、
煮物を作って欲しいと要望がありました。
どうして煮物なのですか?とお尋ねすると、
亡くなられたおばあ様の味を再現してほしい。
との事でした。
帰省すると必ず作ってくれたあの料理を、
野菜の切り方、味付けなど聞き、
新郎さまと何度も試食を重ね、
何度も試行錯誤を重ね、披露宴で提供しました。
「自分の中での家庭の味を、
家族になる人たちに食べて欲しいから」という
温かな想いの元、
出来るだけ味の再現度を高く、
新郎さまのご要望を叶えることのできたお料理でした。
続いてある新婦さまのお話しです。
お母さまと2人で人生を歩んでこられた新婦さまの話。
まるで父親のような雰囲気で
お母さまの兄(叔父)を”父”のように慕われていました。
その方はとてつもない偏食家。
他の結婚式に出席しても、あまり料理に手を付けず
お酒ばかりを飲むような方だと
お話しをお聞きしていました。
そんな中でも、唯一好んで食べられていたのは、
小さい頃から一緒に食べた思い出のある
「お蕎麦屋さんの天丼」のみ。
新婦さまからの依頼を受け、
そのお店の天丼の味を再現し提供すると、
泣きながら食べておられたのがとても印象的でした。
お打ち合わせを通して、
料理のコースにスパイスを加えますが、
お話しを聞く事で作り手(シェフ)も、
感動しておもわず涙してしまう事もあります。
ララシャンスの婚礼の料理は、
レストランで出てくるような、
すべての人に同じように感じていただける
クオリティの料理とは違い、
お客さまのこれまでの人生に寄り添い、
その中で起きる感動を体験していただけるよう
打ち合わせを実施し、料理を作っています。
料理を通して感じていただきたいこと
結婚式というもの自体、
時代に伴って形や人との寄り添い方が変化しています。
昔は、自宅で結婚式やお
葬式を行っていた時もあります。
時代の変化から実施が少なくなり、
“ハウスウエディング”というもの自体が
仕事として成り立つようになりました。
ハウスウエディングの良さは、
お家(自宅)のような安心する感覚の中にある、
どこか非日常なおもてなし。
だからこそ、ハウスウエディングの本来の良さを引継ぎ、
ホッとする空間の中に、
どこか特別な空間を感じる演出を取り入れるなど、
料理を通して感動を届けています。
生きている時代によって、
“料理の在り方”も変わり、
“感動の形”も変わっています。
料理を作る側としての喜びは、
記憶に残る料理を作り、お客さまに届けることです。
何を食べたのか覚えていなくても、
記憶の中に残る料理がおいしいモノだったと
思っていただくことが嬉しく思います。
また、そこで見た目も華やかで、
かつ味も洗礼されているような物であれば
なおさらです。
例えば結婚式を挙げられた新婦が、
ご友人や知人の方に
「あなたのウエディングドレス姿綺麗だったよ」
と言われるのと同じように、
「あなたの結婚式の料理おいしかったよ」
と言ってもらうことは
嬉しく思うのではないでしょうか。
例えばいつもよりちょっとのんびり起きた
何気ない日曜日の朝、
お父さんお母さん、兄弟と一緒に食べた
朝ごはんを想像すると、
それだけで幸せで楽しい時間や
会話を思い出すのではないでしょうか。
美味しかったという味の記憶と同時に、
その情景をも思い出になるからこそ、
結婚式のお料理は特別なものだと思います。
責任感を持ち、人の幸せな記憶の中に残る
美味しい料理を届けていきたいと思います。
料理人が考える結婚式の価値
人が亡くなる直前に見るといわれている走馬灯。
結婚式を作り上げる私たちシェフや、
それに関わる方々は、
人生で結婚式を挙げたことがある人であれば、
必ずと言っていいほど
結婚式のことを思い出すはずだと考えています。
毎年行われる花火大会、
毎年行われる夏祭りなどのイベント自体にも
もちろん魅力がありますが、
結婚式にはまた別の魅力があります。
人生の節目として行う大きなイベントとして、
結婚式はあるのではないでしょうか。
同じ人が集まって同じことをやろうと思ったとしても、
あの時間、あの空間に2度と戻ることはできません。
ですが、だからこそ尊いものを感じます。
そんな場所に自分たちで1週間以上時間を費やし
仕込んだ料理を提供するには、
プレッシャーも感じますが、
なにより美味しかったといわれた時の達成感も生まれます。
結婚式自体の価値は、
人それぞれ違うかもしれないですが、
人生を何十年と生きていく中での、
たった2時間半の記憶。
たった2時間半だからこそ、
深く記憶に残る時間にしたい。
一期一会の結婚式に、料理として携わり、
これからも多くの方の記憶に残る料理を
作ってまいります。
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